みおこし

いとこのビニーのみおこしのレビュー・感想・評価

いとこのビニー(1992年製作の映画)
4.2
ひょんなことから殺人事件の容疑者に疑われたスタンとビリー。万事休すかと思われたが、従兄弟のビニーが弁護士だということが分かり、彼に弁護を依頼するもののビニーはキャリアたった6ヶ月の新米弁護士だった...。

90年代のこういう肩の力が抜けていて、どこかファッショナブルなコメディがお好きな方は必見!
『グッドフェローズ』『レイジング・ブル』などスコセッシ作品でおなじみの名脇役ジョー・ペシが主演というだけでもう最高!!少しヤクザな面もありつつ、人情味溢れ口が達者なビニーを嬉々として演じていて、他の作品とはまた違った印象。冒頭は本当にどうしようもないヘタレっぷりですが、終盤に近づくにつれて、あの甲高い声で法廷でまくし立てるシーンのオンパレード。まさに彼にしか成せない熱演は圧巻、彼以外にビニー役は考えられません。
『ベスト・キッド』のラルフ・マッチオが少し成長して更にイケメンになっていましたが、本作では悲運にも殺人事件に巻き込まれてしまう情けな〜い役なのがまた良いですね(笑)。
そんな人気者2人よりも更なる異彩を放っていたのが、ビニーの賢くキュートな婚約者リサ役のマリサ・トメイ。本作でアカデミー助演女優賞を獲得していますが、それも納得の抜群の存在感。派手な見た目とは裏腹に、自動車のことに関しては右に出る者なしの凄腕整備士だったり、実は誰よりもビニーのことを献身的に裏で支えていたり...。まさに愛すべきヒロインとはこのこと、とにかく魅力的でした。

秀逸なセリフの連続で、声を出して笑ってしまう場面がたくさん!90年代らしい、どこまでも明るくてドラマチックなハリウッド映画の良い部分を全て併せ持っていて、個人的にはツボ。
アラバマ独自の文化にビニーとリサが振り回されるシーンや、裁判長とビニーの服装をめぐるやり取りまで、名シーンを挙げたらキリがないです。特にひたすら続く早朝の目覚ましネタと、「ヴィンセント・ガンビーニ1世」のところは心から爆笑しました(笑)。
法廷ものとしても伏線がしっかり張られていて、ラストの爽快感は言わずもがな。脚本を書かれた方は、法曹界に造詣が深いそうで、そらが理由から本作は本物の弁護士たちからも評価が高い作品なんだとか。

否応無しに前向きな元気をもらえる、隠れた傑作。登場人物も基本的に愛らしい素直なキャラクターばっかりなので(笑)心癒されること間違いなしです!
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