星降る夜にあの場所で

いとこのビニーの星降る夜にあの場所でのレビュー・感想・評価

いとこのビニー(1992年製作の映画)
3.9
VHS以来の再鑑賞。

何年かに一度、いち役者を【○○の再来】という言葉で称賛することがある。
以前から思っていた事ではあるが、今回改めてその思いが確実なものとなった。
両者に敬意を表し、
【ジョー・ぺシは紛れもなく私が敬愛するジェームズ・キャグニーの再来であった】
過去形にしたのは、ジョー・ぺシもお歳を召したから。
間違いなく法廷コメディの佳作だと思う!
毎度書いているが、このパッケージとタイトルを見た限り、B~C級のラブコメにしか見えない。
しかし本作は、誰もが認めるであろうどハマりのギャング役的要素を微塵も見せない、コメディアンとしてのセンス溢れるジョー・ぺシが存分に堪能できる逸品となっている。
そして…
今夜wikiを見るまで全く知らなかったのだが、ジョー・ぺシを喰らわんばかりのキュート過ぎる芝居はやはり評価されていたのですね。
いやほんとマリサ・トメイが最高にイカした芝居を見せてくれています。
キチンと心と連結されることでしか出てこない微妙な喜怒哀楽の表情が素晴らしかった。
監督の手腕というより彼女の資質に違いない。
見た目バカっぽいキャラを演じながら、何でもない会話の中にぽわ~とした感じで鋭い意見をぶち込んだり、怒るときも敢えて憎めない天然ぽさを残しながらプンプンしたり…とちょっと頼りないけど大好きな彼(ジョー・ぺシ)を支えたいとういう健気さがしっかりと伝わってきます。
20年以上前にはジョー・ぺシの存在感ばかりに気を取られ、感じることが出来なかった自分の未熟さを思い知らされた。