老人忠男と孫娘の春は春の母親が亡くなってから二人で暮らしてきており、生活シーンが無くても、その間に培われた関係が二人から滲み出ていた。
気を使わない話し方。
忠男の甘えを受け入れる春。
表面に出さない、お互いを思いやる心。
忠男と兄弟達は一緒に育ってきた元家族であり、何年も会わなくても会った瞬間に昔の自分に戻る仲代さんの演技はさすが。それまでの関係によって兄弟によって態度が変わるのは当たり前のこと。
リアルなシーンばかりなのに、旅に出る理由が非現実的。このアンバランスさがこの作品のポイントなのかなと。
春は、この旅でわかったのだと思う。
自分を一番愛してくれているのは
誰なのかを。
2011/5/2