くわまんG

機動戦士ガンダムのくわまんGのレビュー・感想・評価

機動戦士ガンダム(1981年製作の映画)
4.0
あらすじ:人類が宇宙に進出して80年、その実宇宙移民は棄民政策。移民を支配したい地球連邦軍、移民の独立を唱えるジオン軍、連邦壊滅を目論むザビ家。ひとは宇宙という新ステージでも未だ殺し合い続けるのか。いや、でもかすかに聞こえる気がする。種の進化の鼓動が…。

そのシチュエーションで相当考え込まないと出ないような台詞の応酬、富野御大ワールドのリトマス試験紙的な完成された一本。テレビアニメ版より観やすいので、ガンダム観始めよっかなーって人にもわりとオススメです。

一番のみどころは、やっぱり母からの巣立ちでしょう。船を見送る後ろ姿に同情はできても、カマリアは「コロニーが苦手だから」って一人息子を手放した女。本来、16歳で殺しを強いられている息子にかけてやる言葉は「辛かったね。側にいてやれずすまなかったね。」などであるべきところを、愛してない夫の作った兵器で戦争に加担している一面だけを捉えて「そんな子に育てた覚えはない。」はもうね…エゴの骨頂です。。

一方でブライトは、両親と違って自分から目を背けなかった他人。「あいつのいいところだ。塞ぎ込んでいても闘いのことを忘れちゃいなかったんだよ。」という台詞から、彼がいかにクルーを見ているかうかがえます。アムロがどちらについていくかは、自明なんですね。

宇宙一憎めない無差別殺人犯シャア・アズナブルも、本作品ではまだ“チャンスを最大限に生かす男”。ここから“修正される大人”、そして“情けないやつ”へと成長していくんですねぇ…最高ですね♪笑