YukikoSwan

ジョニーは戦場へ行ったのYukikoSwanのレビュー・感想・評価

ジョニーは戦場へ行った(1971年製作の映画)
4.0
戦争で顔も腕も足もなくなった19歳の青年の話。
ジョニーは戦場へ行った、鑑賞しました。
監督も脚本もダルトントランボです!

話もできない、動くこともできない、
その人間の尊厳とは、、、?

もう怖くてしょうがない話です。
婚約者と離れ、家族と離れ、戦争へ行ったジョン。
戦争で爆撃にあい、オデコ以下顎までの顔を失い、
両手両足も失う。
気がつくと、意識だけはあるが他に何もわからない状況。
しかし彼は正気である、、苦悩しかない。

自分の意識内、もしくは意識があっても
どうしようもない現実の反芻のみで生きる青年。

以下ネタバレです。

夢の中の描写はもちろん現実ではなく、
シュールレアリスムの影響を受けている描写が多い。
思考の影響を受けた夢がまたすごく理解ができる、、、

あの愛のある看護師さんが心を打ちました。
バラを置いてあげたり、
メリークリスマスと書いてあげたり、、
ジョンに希望が出てきて嬉しかった。

どうにか意思を伝えたくて、モールス信号を使うジョン。
SOS、もし外に出られないなら、殺してくれと伝える。
彼に意識がないと思いひどい扱いをした関係者は、
その希望を打ち砕く。。。

もう悲しくて、、、戦争で悲惨な映画を多く見ましたが、
ここまで怖いことはないなと思いました、、

戦争・人間の恐ろしさと現実の中にありえてしまう地獄。
戦争という魔物、失態を隠したい人間の心、
そして”人間”の定義と、人間の尊厳を考え直させる映画でした。
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