藍住

運動靴と赤い金魚の藍住のレビュー・感想・評価

運動靴と赤い金魚(1997年製作の映画)
3.0
20年以上も前のイランの映画で『あのこは貴族』と同じような富裕層の人間と貧困層の人間の偶然の出逢いと対比が観られるとは思っていなかったのでとても吃驚した。

ラストカットの後お兄ちゃんも妹も新しい靴を履いて学校に通えるんだろうなって思うとそれなりに救われるが、根本的な解決には程遠いというか。
そもそも妹のために奔走した兄を抱き締めてあげる人なんて誰も居なかった。
あのタイミングで妹なり母親なりが兄を抱き締めて欲しかった。
悲しすぎる。

子供は可愛いけれど、色々な場面でヒヤヒヤしてしまって気が気じゃなかった。
そしてそんな彼らに容赦なく規律を守れ!!守らない奴は帰れ!!という大人の怒号が飛び交うので辛い。
あの子達は大人になってからも苦しい社会が待ってることを考えると息が詰まる。
あの子達は政府から監視され、弾圧される社会を生きていかなければいけないのか。
藍住

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