この監督の映画はネチっとしていて暗いイメージがあるのだが、この作品も予想に違わず湿った翳りのある映画だった。おとり捜査や雨の中のカーチェイスなどはそれなりにドキドキするがあっと言う間に終わってしまい、クライム・サスペンスとしては凡庸に思えるし、家族ものとしても物足りないので、全体的に中途半端である。
ホアキン・フェニックス、マーク・ウォルバーグそしてロバート・デュヴァルというすばらしいキャスティングで彼らの演技は申し分ない。特にホアキンの演技は、アウトローから正義の人への移行というツッコミされがちな役所を納得させるものとなっている。