K800

天井桟敷の人々のK800のレビュー・感想・評価

天井桟敷の人々(1945年製作の映画)
3.6
ナチ占領下の映画人たちがその力を集結して作り上げた史上最高傑作!
(予告編より)

そもそも天井棧敷とは、最上階・最後方の天井に近い席のこと。つまり最も安価な観覧席のことである。
本作は第1幕と第2幕に別れているため時間的には少々長いが、それを感じさせない。舞台は19世紀パリ。女芸人のガランスと彼女に心奪われた男たちによる群像劇。
作中で発せられる台詞がすごく印象的だった。おしゃれな言い回しの数々は見ている側を飽きさせない。また、バチストの演じるパントマイムが表現力豊かで面白かった。
作中に登場する人物の言動にはツッコミどころが多々あったが、それに対して観ている私たちがあーだこーだいうことがまさに、天井桟敷から劇を見ている人たちそのものなのではないのかなと思った。

歳をとってからもう一回見たら違った見方ができそうな作品だった。
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