ミシンそば

ワイルド・ギースのミシンそばのレビュー・感想・評価

ワイルド・ギース(1978年製作の映画)
3.9
先日観た「戦争の犬たち」と同じ、冷戦時代のアフリカ傭兵もの。
経済小説としての面が濃いそっちよりも、大分娯楽方面に振ってるが、どちらにせよ死屍累々のドンパチであることに変わりはなく、また金の臭いも相変わらずする。
脚本がレジナルド・ローズだけあってキャラの一人ひとりにドラマがあってそれをちゃんと引き立ててるのがいい。

マフィアの使い走りをやってた飛行機操縦のスペシャリスト
イギリスに愛する息子を置いてきた天才的な軍略家。
士官相手にも容赦のない年老いた鬼曹長。
真に人種間を超えた融和を願う、独裁者に投獄されていた現地の大統領。
レイシストだが祖国の南アフリカを愛しているボウガン使いの元治安警察。
アダム・ドライバーをそのまま老けさせたような口やかましい現地に赴任していた神父。
みんないいキャラだ。このキャラクター達を腐らせない料理を、マクラグレンはちゃんとできていると言えるだろう。

やはり40年以上前だけあって、アフリカ方面の描写には時代背景や古さ(これは敢えての表現。いろいろと言いたいことがあるが)の問題も目立つが、それは置いといてもいい戦争アクションだ。