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悪魔の沼のblacknessfallのレビュー・感想・評価

悪魔の沼(1976年製作の映画)
3.4
久々に観たわけなんだけど、肝心の人食いワニ🐊はデカイだけで1つもリアルに動いてくれない。
安い売春宿とぼろっぼろのモーテルが舞台だし、"悪魔のいけにえ"で注目集めたはずのに、そーゆー期待感や勢いが画面から全然伝わって来ないのがすごい笑

"いけにえ"が当たったから、昔撮ったやつを新作としてパッケージングして売った、実は過去作みたいな雰囲気に満ちてるんだけど、狙いだったのかな?
ジワジワ溜めてからフルスロットルで突き進む"いけにえ"のメソッドを使わず、ダラッダラした人物描写とサスペンス劇チックな演出で、出てくる人達の関係性をじっくり画いてる。
格調を出そうとしてる意思は感じるんだよな。

でも、イカれたおじさんが人食いワニを飼ってるモーテルを経営してて、目を付けた客を片っ端から襲い、時に犯し、最終的にワニ食わせてるストーリーなわけで、格調には向かないよね笑 あと、そこまで殺られる人達や真相突き止める人のこと丁寧に長々撮る必要なくね?
客が期待するのはそーゆーことじゃなくて、ゴアなわけで笑

話の中心になると思わせる売春宿から逃げてワニおやじのモーテルに来る家出少女があっさり殺されちゃう展開に"サイコ"みたいなのを狙ってたのかなぁって感じるんだよ笑

ワニおやじは明らかにサイコなんだけど、ヒッチコックのサイコと違って、何でこの人がこんな人間になってしまったのかってプランが全然ないんだよね。
色々ブツブツ独り言呟いてて不気味ではあるんだけど、この不明瞭さがサスペンスとしては致命的にダメなとこなんだよ、、

でも、即物的な恐怖はやはりフーパーなんで所々冴えがあった。
ワニおやじが大鎌持って襲ってくるシーンとかのいやな臨場感は才気を感じた。

とは言え、悪魔のいけにえの次の作品とは本当に思えないんだよなぁ笑

キャストはロバート・イングランド(エルム街のフレディー)やウィリアム・フィンレイ(ファントム・オブ・パラダイスのファントム)とか個性があって演技できる人が出てるから、"いけにえ"よりは金かかってるのかも笑
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