このレビューはネタバレを含みます
クリスマスはどうやらみんな何かしら寂しい。
クリスマス・イブ。
ローズは認知症を発症して入院している母親の介護に少々疲れ気味。
何を話しかけても反応してもらえないことが辛くてたまらないのだ。40歳を過ぎ、独身。今年のクリスマスも一人で過ごすことになりそうだ。
警官のマイクは婚約者で弁護士のニーナが同僚とキスをしているのを見かけてしまいひどく不安になる。
ただの制服警官でしかない自分にニーナがいつか愛想をつかしてどこかにいってしまうのではないかという不安が心に常にあり、その自信のなさから嫉妬深くなってしまい、そのことでニーナは若干窮屈さを感じていた。パトロールの途中、同僚とよったカフェでマイクはそこのマスターから妙に懐かしそうな視線を送られ困惑する。
他に子供の頃に病院でクリスマスパーティを経験したことが人生で一番幸せな思い出として記憶している若者が、もう一度その気分を味わいたくてわざわざ自分の腕の骨を折って入院を試みるなど、世間がクリスマス・イブのせいで日頃の孤独がグッと身にしみて落ち込みまくっていた人たちがそれぞれちょっとしたクリスマスの奇跡を味わうという趣向。
登場人物の人生がうまく交錯し、突飛で笑ってしまうようなエピソードやほろ苦いエピソードがクライマックスに向けていい具合に相乗効果をおこして、ささやかな奇跡に思わずこっちもニッコリとなってしまい、視聴後ほんの少し気持ちが暖かくなっている。
ものすごいとまでは言わなくても、世の中そう悪くもないと思わせてくれる、なんというか良心的なあたたかさをかんじさせてくれる映画だったと思う。
ええそうです。
この映画もポール・ウォーカー出演作品攻略の一環で視聴。
通常好きになった俳優さんが出ていると、色眼鏡になって作品をみてしまうもの。しかし、ポール・ウォーカーを見るときにその色眼鏡がかかっているのかどうかというと我ながら悩ましい。
もちろん色眼鏡がかかってないとは言わないけれども、私がこれまでファンになった俳優さんだと、俳優さんはめちゃくちゃいい演技をしていて、で、それをうまくいかしてくれない作品で残念!的な色眼鏡のかかり方をするわけなのだけど、ポール・ウォーカーさんの場合、申し訳ない事ながら出てくるたんびに「ああ、やっぱ演技ができないんだ...」というハラハラ感が先に立ってしまって作品どころじゃないというか。
身内でもないのに”うへぃ!”というような気恥ずかしさと結構毎度戦いながらの視聴となるのだけれど、今回は...、ええっと、いや今回も一応気恥ずかしさ満載なんですよ(←?)。
登場シーンではなんというか「あんたはよそ見運転できるからという理由だけで採用されてんじゃないだろうな」と疑いをもってしまうくらい、「あーあーあー💧」と意味なくクッションで視界覆いつつ、ちらりと見つつな視聴態度になってしまっていたんですよ。
しかし、この映画の監督のチャズ・バルミンテ氏が「彼はめちゃくちゃいいぞー!」と推薦してくれたからこその「ワイルド・バレット(Running Scared)」。
そう。なんというかこの人のやっかいなところというか、ある意味持ち味なのかもしれないんですが、やっぱり時々すごくシーンに見合ったとってもいい表情をみせるんですよ。
おそらく監督の誘導の仕方がよければ、とても素直に演じてくれるというか、なんというか訓練されてない素朴というかストレートなリアクションみたいなのが、グッと。「あれ?すげー、いいんじゃないか?」って思わせる奇跡のような瞬間というのがあって、たぶん、それなんだろうなぁと。
チャズ・バルミンテは俳優さんでもあるので、加えて「俳優の可能性を引き出すのが好き」というとっても奇特な監督さんだったおかげっていうのと、相手の俳優さんであるアラン・アーキンの旨さにいい具合に乗せてもらえたのか、確かに「とんでもなくいい瞬間」というのがあったんですね。
ここにきてジャスティン・リン監督がよく「ポールは直感的に演じるので、可能な時はいつも彼のシーンからとる。繰り返しになるともうかなり大変みたいなので」と言っていたのがようやくわかった気がしたんです。
じっとしているのが苦手だからとかそういうことじゃなかったんだ、ごめん。
ジャスティン・リン監督もちゃんと気持ちをのせてあげた時のポール・ウォーカーの良さというのをとっても心得ていたんだなぁと。
つまりこの人をヴィン・ディーゼルのこだわりまくった役作りカオスに放り込むとどんな気の毒なことになるかっていう....。
あと画面からはよくわからないのだけど、やっぱりものすごく綺麗な顔立ちなのでしょう。 チャズ・バルミンテ監督曰く「ポールのすごいところはペネロペ・クルスと並べてみても同じくらい綺麗なところだ」だそうで。
うーん、演技...演技力なぁ。
どうやって培うものなのか。
難しい。
そうそう。
この映画、ロビン・ウィリアムズが出てるんですよ。
突然でてきてビックリしたんですが、またこの人が困ったような笑顔でとっても泣かせてくれるんです。
いやはや。