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閉店時間の3104のレビュー・感想・評価

閉店時間(1962年製作の映画)
4.0
有吉佐和子の原作を元に、若尾文子、野添ひとみ、江波杏子の3人のデパガの恋模様が描かれる。ロケ協力は横浜の高島屋。店内の装飾や客の様子に当時の世相や「古き良き」賑わいを存分感じることができる。

気丈でウーマンリブ風(これも“世相”)のあやや、ロマンティックな恋を夢見る野添ひとみ、何人も“フレンド”をとっかえひっかえの江波杏子。ツンデレの落差激しい川口浩、小気味よくてキザな川崎敬三、物わかりの良い上司の潮万太郎、親身な同僚役の八潮悠子・・。
当時の他の大映作品でも多くみられる、まるで「当て書き」のようなキャラクター設定。これは決してマイナスではなく、今作~や同じようなテイストの映画~を観るにあたっては(特にこの時期の大映作品に慣れた人ほど)「安心感」を与える事に成功している。

主役3人の恋模様。
あややの安定感、江波杏子と川崎敬三のアプレな関係も面白いが、何より一途な野添ひとみの存在が光る。「やだぁー」という口調やウインクの下手さなど、可憐ながらどこか垢抜けない様がことさら魅力的。

まだ“斜陽化”の影が見えない頃の大映映画らしく、登場人物も多く作風も明るく全体のタッチも軽妙で洒落ている(大映末期はキャストも少なく、どこかギスギスした雰囲気の作品が増える。それはそれで“摩擦熱で燃える隕石の輝き”のようなものも感じられて好きなのだけど)。
デパート開店の描写で映画が始まり、閉店でちょうどエンディング。「終」のエンドマークに見送られ、幸せな気分で劇場を後にすることができよう。


さて今作が今年の映画見納め作。
タイトルも通り「閉店」でございます。
劇場で130余本。地上波、BS、CS、積みDVD&Blu-ray消化分を合わせても200に満たないくらい。もっともっとたくさん観たい。
皆様におかれましては今年はどんな年だったでしょうか?いい映画にたくさん出会えましたか?
皆様の2016年が、実り多き1年であらんことを。