千年女優

スタンドアップの千年女優のレビュー・感想・評価

スタンドアップ(2005年製作の映画)
4.0
夫のDVに耐えかねてミネソタ州の実家に戻った二児の母で、駆け落ち同然に家を出たために両親から冷たい扱いを受けるジョージー・エイムズ。生活のため町の唯一の産業である炭鉱で働き始めた彼女が、封建的な男性社会での理不尽な扱いに業を煮やして単身訴訟を起こし、根気強い活動で徐々に周囲の理解を得る様を描いたドラマ映画です。

1988年に実際にロイス・ジェイソンが起こしたアメリカ初の集団セクシャル・ハラスメント訴訟を原案にした作品で、オーストラリア出身の女性監督で本作がアメリカ映画デビュー作となるニキ・カーロが演出した物語が評価され、主演のシャーリーズ・セロンと助演のフランシス・マクドーマンドが各々アカデミー賞にノミネートされました。

産業革命を経て女性の社会進出進む過渡期に「権利」を勝ち取った後に尚残る封建的な「価値観」との戦いを共にオスカー女優で圧倒的な存在感を見せるセロンとマクドーマンドの熱演で描きます。ただ過酷な出来事を男女対立を煽るようにセンセーショナルに描くのでなく、「家族」であり「仲間」ではないかと当り前を訴えかける一作です。
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