ブタブタ

20世紀ノスタルジアのブタブタのレビュー・感想・評価

20世紀ノスタルジア(1997年製作の映画)
4.0
原将人監督はドキュメンタリーの鬼才と呼ばれる人でこの作品は唯一商業ベースで製作された映画らしいです。
調べた所によると撮影の途中で1年半以上も撮影が中断してしまいその間に広末涼子が大ブレイクしてしまったのだと。
なので広末涼子がブレイク前に撮られた部分はドキュメンタリー映画風でブレイク後はやはり広末をもっと写せとスポンサーからの横槍が当然あったのでしょう、アイドル映画になっていて非常にチグハグな感じがします。
ストーリーは高校二年生の夏に転校してきた自称天才ビデオアーティストで自称宇宙人の男とヒロインがビデオで東京の風景を撮影しながら歌ったり意味不明な会話をしたりするロードムービーなのですが監督によるとSF映画で恋愛映画らしいのです。
しかし正直な印象としてはセミドキュメンタリー風アイドル電波映画とでも言いましょうか。
この作品がデビュー作と言う事もあり流石にこの頃の広末涼子さんが可愛いのに異議は有りません。
この作品を詳しく解説した某サイトにも書いてあったのですが相手役の男が舛添要一にそっくりなのと余りにも図々しく気持ち悪い位自信たっぷりで偉そうに「映画は人間の栄養物」だの、自分は未来から来た宇宙人だの、こう言った不思議ちゃん設定は全盛期のゆうこりんレベルが言うならまだ許容出来ますが如何せん舛添要一そっくりのキモい男なので其処だけが終始不快で、この相手役に関してはもう少し何とかならなかったのだろうかと思いました。
理解不能な電波映画と見るきらいもありますが(実際そうですが)あのヒロインの相手役の男は本気で自分を宇宙人等と思っている訳は当然無くて、そういう「設定」の飽く迄「ごっこ遊び」をヒロインを巻き込んでしているのだと思いました。
ヒロインの母親や他の人に対しては態度が普通ですし。
『20世紀ノスタルジア』と言うタイトルもこの作品がヒロインがあの夏の出来事を振り返った時の懐かしい思いであり自分を宇宙人等と自称する中二病の男(或いはキチガイ)と過ごした黒歴史であり、2度と戻らない少女時代の憧憬を描いた日本版(或いは電波版)の『スタンド・バイ・ミー』だと感じました。
この作品のロケが行われた清洲橋の近くに嘗て「食糧ビル」と言う建物がありまして、食糧ビルは上から見ると丁度、ロの字型の中庭があるビルで中はギャラリー等が多くあり又ドラマやCMのロケ地としてよく使われた建物でした。
老朽化により取壊しが決まり最後の展覧会が開かれた時、ビデオインスタレーションとして会場にこの映画がずっと流れていたのを憶えています。
消えゆく建物や消えゆく風景、懐かしい思い出の記録としての映画、それらが重なり記憶の中で融合した実際には存在しない思い出こそが『20世紀ノスタルジア』なのではないかと自分なりに結論づけました。
好きな映画です。
なのでマイナス1点は当然相手役の分で。