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西部のリトル・リタ〜踊る大銃撃戦〜のHKのレビュー・感想・評価

3.0
公開当時人気を誇っていたらしいイタリアのアイドル歌手リタ・パヴォーネ(当時22歳)が歌って踊るマカロニ・ミュージカル・ウエスタン!
西部の名立たる女ガンマン、リトル・リタは一見華奢で小柄な女の子ながら、格闘も銃の腕もピカイチ。敵は容赦なくブチ殺します。

コントと歌と踊りに字幕が入ると、なんだか昔懐かし新春スターかくし芸大会の外国語劇を思い出してしまいますが、まさにそんなノリ。
可愛い女の子が笑顔で歌って踊って人を撃ち殺す様はシュールでもあり不思議な世界。
宿敵のリンゴ、ジャンゴ、サンチョも一人ずつ血祭りに(残酷描写はありません)。

リンゴは『夕陽の用心棒』『続・荒野の1ドル銀貨』のジュリアーノ・ジェンマのキャラかと思ったら、むしろ『荒野の用心棒』のイーストウッド寄り。
リンゴの登場シーンでは、水野晴郎の『水曜ロードショー』のテーマ曲でおなじみニニ・ロッソがカメオ出演してむせび泣くトランペットを聴かせてくれます。

ジャンゴはお約束どおり棺桶を引きずって登場、中身はもちろん機関銃。ご丁寧に馬に踏まれた手で十字架の墓標を使った銃撃まで見せてくれます。
サンチョはそのまんまフェルナンド・サンチョ(『夕陽の用心棒』『南から来た用心棒』)が演じてました。

他にも『荒野の用心棒』からは防弾チョッキと「一握りのドルのために」というセリフ、『夕陽のガンマン』からはリー・ヴァン・クリーフの組立式銃とブーツの踏み合いなんかのマカロニ・パロディが出てきます。

そして今回の期待要素のひとつはジャケ写で主人公の後にいるテレンス・ヒル。
ところが、主人公が一目惚れするカウボーイ役なんですが『風来坊』シリーズや『ミスター・ノーボディ』でコメディに開眼する前のため、ただの二枚目で全く面白味に欠けたキャラなのが残念。

バカバカしくて2度は観ないと思いつつも、何かの拍子に主題歌が脳内再生され、ナゼかまた見てしまいそうなクセになるタイプの作品でした。
Filmarksさんジャケ写ありがとうございました。
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