TAK44マグナム

ドラキュリアンのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

ドラキュリアン(1987年製作の映画)
4.0
もう、ダークユニバースはコレで良いんじゃない?


フレッド・デッカー監督が、クラシックモンスターへの溢れる愛を惜しみなく注いだ、少年怪物討伐隊VSモンスター軍団の大激突!
これは面白いです。
「ロボコップ3」のフレッド・デッカーしか知らない方に観てもらいたい作品。
子供の頃に大切にしていたはずの夢やロマンがつまっていて、キュンと甘酸っぱくなりますよ。

脚本はシェーン・ブラック。
製作総指揮がピーター・ハイアムズ。
製作にロブ・コーエンが名を連ねていたり、モンスター造形担当がスタン・ウィンストンだったりとスタッフは一流なので、B級映画ではありますが中身はちゃんとしております。


その昔、ヴァン・ヘルシング教授は秘石の力を使って、ドラキュラ伯爵と悪のモンスターたちを葬り去ろうとしましたが失敗してしまいます。

そして100年後。
不思議や怪物が大好きな少年ショーンは、友達と一緒に「怪物クラブ」と名乗って遊んでいましたが、ママから貰った古い本を読むうちに、ドラキュラ伯爵が復活して世界征服を企んでいることを知ります。
そこで、ショーンは中学生のルディを加えて「モンスタースクワッド」を結成、秘石を探し出して悪のモンスターたちを倒そうと活動を開始するのでした。

一方、ドラキュラ伯爵はフランケンシュタインの怪物、狼男、ミイラ男、そして半魚人を集め、自分たちを封じ込めかねない秘石を破壊するために、ヴァン・ヘルシングの本を手に入れたショーン達を狙っていました。

怪しい家に住む「恐怖のドイツ人」の協力を得たモンスタースクワッドは、ドイツ語で書かれた呪文を読み上げ、悪を封ずるという煉獄に続く穴を発生させようと奮闘するのですが、そこにドラキュラ伯爵たちの邪魔がはいります。
はたして、警官隊さえ歯が立たないモンスター達を相手に、少年たちは勝利することができるのでしょうか・・・?!


マグナム的には、それほどドラキュラやフランケンシュタインみたいなクラシックモンスターに思い入れは無いのですが(それでもドラキュラと狼男とフランケンシュタインが三つ巴で戦う映画を観ては激しく興奮していた子供時代でした)、フレッド・デッカーはハマープロやユニバーサルが20〜70年代に連発した怪物映画が好きで好きでたまらないんだろうなぁというのが、本作を観るとヒシヒシと伝わってきますね。

由緒正しいスタイルのドラキュラ伯爵、どこか愛嬌のある半魚人とミイラ男、変身を恐れるが凶暴性を隠せない狼男・・・特に、トム・ヌーナン演じるフランケンシュタインの怪物は子供達と仲良くなってしまう重要な役で、彼らと手をつないで歩いて行く場面や、少女にさよならをする場面は出色の名場面。
とにかく皆んな良いキャラしております。
半魚人とミイラ男は激弱いですけれど(汗)

名場面と言えば、チャリンコに跨りながらタバコに火をつける中坊ルディの初登場や、太っちょホレスの「これからはホレスと呼べ」の場面も良かったですけれど、ショーンと父親が近くのドライブインシアターで上映している「13日の金曜日風のホラー映画」を家の屋根の上から双眼鏡で一緒に観る場面が一番印象に残りましたね。
これは自分がショーンだったら、一生心に残る思い出になりそう。
もしかしたら、フレッド・デッカーやシェーン・ブラックの実体験なのかな?

ノリとしては昔のタツノコプロのアニメみたいで、最初から最後まで楽しい空気で充満していて、大人から子供まで年齢層を気にせず観られる娯楽作です。
ただし、「処女」が重要なキーワードなので、お子様と観る場合はうまく説明できないといけませんよ(苦笑)


まだまだ宇宙人や古代文明とかネタはいくらでもあるし、モンスタースクワッドのその後を、是非描いて欲しいですね。
トム・クルーズやジョニー・デップを使って、本作の40年後を「ダークユニバース」として映画にするのも面白いんじゃないかなぁ?
「ザ・マミー」以降、どうもうまくいってないみたいだし。
権利関係とか知らないから勝手なこと言ってますけれど(汗)
でも、正直に言って「ザ・マミー」の10倍面白かったので、どうせ作るならフレッド・デッカーとシェーン・ブラックに好きにやらせて、「モンスタースクワッドVSプレデター」とかでもマグナム的には大歓迎であります!
そういうのなら、ワクワクが止まりませんぞ〜!


セル・ブルーレイにて