Yukiko

我等の生涯の最良の年のYukikoのレビュー・感想・評価

我等の生涯の最良の年(1946年製作の映画)
3.9
2021年1月30日
『我等の生涯の最良の年』  1946年制作
製作、RKOラジオ
監督、ウィリアム・ワイラー。
他の監督作品に『おしゃれ泥棒』『ローマの休日』
『ミニヴァー夫人』と超有名な作品が多い。

第二次世界大戦後、戦争に行っていた兵士が復員する。
 ・アル・・・陸軍の軍曹だった。元銀行員。妻と娘と息子が
      いる。何不自由ない暮らし。
 ・フレッド・・・空軍兵士。勲章がいっぱい。両親健在。
      元はソーダ水を売る仕事だった。
      華やかな妻とはうまくいかない。
 ・ホーマー・・・海軍で船を撃沈され、火傷を負い、両手を
      失う。
      婚約者がいるが、結婚しようと言えないでいる。
この3人とその家族が関り、復員兵が直面する出来事を追う。


第19回アカデミー賞最優秀作品賞受賞


ホーマーの義手が痛々しい。
周囲は飲物をお出しする時に、ストローを挿して出せば良い
ものを・・・
障害を負った兵士の気持ちをよく表している。

フレッドは頑張って勲章をいっぱい貰ったんだから、以前より
良い仕事に就きたいと思うのは当然。
しかし、爆弾を落として命中をさせていただけの仕事が、
現実の市民生活に役立つものではない。
結果、仕事がない。
ようやく仕事があっても、昔部下だった人の補助の仕事
だったり、望まない仕事だったり。
給料も兵士とは比べ物にならないほど安い。

反して、アルは恵まれている。
望まれて銀行に戻ることができた。
しかも以前よりも出世した。
子供たちも健やかに成長。
妻は相変わらずお綺麗で賢い。

いいな、アルは。  が・・・・!!

やっぱり、いろいろあります。
ドラマチック。

傍から見ていると恵まれているようで、それでもアルは
アルなりに悩みは尽きない。
それをうまくフォローしているのが奥様。

アルの絶え間ない長いスピーチを、頃合いの良さそうな
ところで奥様はスピーチを止めてもらうべく、いきなり
アルにキスをする。 
アルの酒量もチェックしていて、ホント、賢い奥様。
この奥様あって、結果としてアルは恵まれた状況に
なっているのだろう。

それに反して、フレッドの妻は、旦那よりも自分の
ことを優先する。結果、行き着く先は・・・

現在にも通じる人の生き方を表している映画でも
あるのね。

どこか、温かみのある映画だった。
Yukiko

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