この年のアカデミー賞を総ナメにしたウィリアム・ワイラー監督による古典的名作。戦争の深い傷痕を描き、胸に迫る出来栄えとなった。敗戦国の日本からしてみれば、その落差に愕然となる。
片腕を失った元兵士とその恋人や、戦争のトラウマに悩む主人公フレデリック・マーチ…。やはり戦勝国とは言え、大量殺戮による傷跡は根深い。この悲劇を絶対に忘れてはならない。(今じゃ皆、忘れてるけど)。
だいたい国に徴兵されて戦地へ赴いた元兵士って、帰国後に精神を病んで自殺するか発狂して殺人を犯したりするケースが多いのだが、そこまでエグくは描かないのね。マイケル・チミノの『ディア・ハンター』はちゃんとそういった所まで言及してたぞ?
たしかに少し綺麗事っぽく感じるけど、そこはワイラー監督の個性なのか観ていて嫌味という程でもない。『ローマの休日』や『ベン・ハー』と並ぶこの監督の代表作。今観ても遜色のない戦争後遺症映画の秀作でありました…。😢