うーーむ、なんかすごくもったいない感が半端なかった。
ニューヨークの都会に建つ魔法のおもちゃ屋、おもちゃ屋の中はまさに夢の世界、お洒落な魔法使いのおじいちゃんに、魔法によって生きている建物とおもちゃたち、地下には絵本を作り続けている気難しいおっちゃんがいて、天才的ともいえる能力を持った大人びた少年、魔法の世界を日常として生きるピアニスト、そして堅物だが少年の心を心の奥底で持ち続けている優秀なアカウンタント。もう最高にワクワクする設定なのに、ただのピアニストの成長物語になってしまっていた。
たぶん、こんな魔法のおもちゃ屋さんを映像に起こしたい、という思いが先行して作られた映画なんじゃないかと思った。それだけ、おもちゃ屋の描かれ方には夢があって、そこで遊ぶ子供達の生き生きとした描写は最高だった。子供はそれが本当の魔法かどうかは別として、目の当たりにするミラクルを信じてるし、魔法に憧れてるんだな、ってほんとよくわかる。といいつつ、自分もすごく心がワクワクウキウキしたし、それはエリックも同じなんだと思う。
だからこそ、もっと設定を十二分に活かして欲しかったし、もっと伏線を張って欲しかったし、回収して欲しかったなぁ。あと、もっと「ファンタジー」にしてもらいたかった。そして何より残念だったのが、魔法を信じている「はず」のマホーニーが、中途半端な立ち位置にあって、それが大きく振り切れることがなかったところかな。。
とはいえ、映像だけでもすごく楽しめるし、普通の童話として見るならば十分満足できる内容だと思う。
うまくできないことなんて生きていればたくさんあるけれど、それを何かのせいにせず、自分の可能性を信じて前に進むことの勇気を与えてくれる。
あー、でもこういうお話は大好きなのに、惜しかったなぁー。。
