ブタブタ

サスペリア PART2/紅い深淵のブタブタのレビュー・感想・評価

サスペリア PART2/紅い深淵(1975年製作の映画)
5.0
かの有名な最初の殺人現場で犯人がハッキリと写ってる。
叙述ミステリーの変型でフーダニットのサスペンス、極めて上質の探偵劇だと思います。
意味の無い首吊り人形や迫ってくるゼンマイ仕掛け?人形の不気味なショックシーンもありますがストーリーは連続殺人とそれと追う探偵とパートナーのオーソドックスな探偵譚。
真犯人のミスリードのさせ方とか『ハサミ男』みたいで見事ですし、犯人(仮)の死亡からの最初の現場に戻って真犯人登場のシークエンスはこういうミステリー作品の中でも出色の出来だと思います。
あと広場にあるダイナー(カフェ)がエドワード・ホッパーの絵画『ナイトホーク』の完全再現なのは『サイコ』のモーテルが同じくホッパーの絵画『線路脇の家』の完全再現へのオマージュ?とか、ヒッチコックの影響もあるとか言われてますけど。
冒頭の超心理学学会での会合でテレパシスト・ヘルガが会場にいる殺人鬼の思考を読んだ事から凄惨な連続殺人の幕があがる所とか、幽霊屋敷や謎の子供の歌等々、超自然現象がバックグラウンドとしてあって展開する謎解きと探偵劇は普通?のミステリーとも一線を画す、日本で言うとメフィスト賞受賞の一連のミステリー作品を思わせますし、『サスペリア』と並ぶダリオ・アルジェントの最高傑作だと思います。
グァダニーノ版『サスペリア』を見てしまったので、こっちも若しかしたらリメイクしたら凄いんじゃないかと思ったりします。
ブタブタ

ブタブタ