のすけ

スリーパーズののすけのレビュー・感想・評価

スリーパーズ(1996年製作の映画)
4.1
語りから始まって語りで終わる。
映画の中のナレーションは良いのかどうか問題あるけど、この映画は半実話という形が取られていて、語りとしてナレーションに沿って物語が進むのにも理由があるのかなと。

1966年ヘルズキッチンの少年4人はイタズラ好き。だけど、そのイタズラの延長で事故が起こって殺人未遂事件を起こしてしまう。

4人は少年院に。

この少年院が大問題。
看守たちの壮絶な虐待が待っていた。
暴力、監禁、性暴力など様々な虐待を受けていた。4人は面会に来る親や地域の仲の良かった牧師にも羞恥心からか相談できずにいた。犯されたなんて言えない、。

1981年。
4人は大人になっていた。
そのうちの2人、ジョンとトミーは闇社会の人間になっていて、殺し屋になっていた。
2人はバーでたまたま少年院の虐待の筆頭だったノークスを見つける。
過去のトラウマが蘇り、2人は怒りを抑えられずノークスを射殺する。

残りの2人、シェイクスは記者、マイケルは地方検事になっていた。
そこでマイケルはなんとジョン、トミーの件の訴追側に。周りはびっくりするが、実はマイケルはこの件を検察側の負けに導こうとしていた。シェイクス、地元の仲の良かったマフィアなどと協力して、ジョン、トミーを救う、またノークス達汚職警察官達を一斉に暴こうとしていた。

作戦は順調に進んだが、ただ一つジョン達側の証人が必要だった。
そこで仲の良かった、地域の人からの信頼も厚い牧師に頼む。
牧師は葛藤する。面倒を見ていた子供達を救うために、神に背いて嘘をつくのか。

牧師は葛藤の上、虚偽の証言をする。
その結果トミー、ジョンは無罪になる。

マイケル、シェイクス、トミー、ジョンは裁判後日をおいて再会して楽しい時を過ごす。
本当に楽しそう。
語りでも「これはハッピーエンドだ」と言われていた。
しかし、その数ヶ月後?数年後にジョン、トミーは殺害され、マイケルは検察を辞めて田舎暮らしをしていることが語られる。
語りの視点からはハッピーエンドには見えないような気もする。4人は結局少年院での出来事によってとんでもないトラウマを植え付けられ、人生を変えられている。
だけど、ハッピーエンドなんだと。
4人の固い友情が示されたことでこの物語はハッピーエンドなんだと。
行き着く結果じゃなく、その過程に物語の是非が委ねられているんだなって思った。
のすけ

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