Shiori

かいじゅうたちのいるところのShioriのレビュー・感想・評価

3.7
絵本が原作のこの物語、
もっと子供向けで明るくなってく(イメージは暗くても)かと思ったのに、全然違った.
わーさすが児童文学. 上手いなあって何度思ったことか.

全体的にはすごく暗くて、雰囲気もちょっと不気味でダークな感じなんだけど、私は結構好きだったなあ. なんかとっても人間味があったのよね. マックスもそうだし、かいじゅうたちもそうだし、家族の在り方だって、、、それがどこかリアルで、でもかいじゅうたちは作られた感があって、そのマッチしない組み合わせが、なんだかなんとも言えない雰囲気を醸し出してる気がするのよねえ.

マックスの寂しさや怒り、不器用さが痛いほどわかって、あの叫びや物を壊しちゃう感じに確かに嫌悪感を抱きつつも、わかるよ、大丈夫だよって言ってあげたくて、なんだか抱きしめてあげたくなった. ただ愛が欲しいだけ. 愛に飢えてるだけなんだよ. マックスは子供だけど、マックスのように愛に飢えてる大人は沢山いる気がする. 不器用なだけで愛がない訳ではないんだよねきっと.

うわー、本当にやっぱ児童文学ってすごいや. 途中から、この物語の原作が絵本ってこと忘れてたもん. 愛が全て. シンプルなことだけど、結局大人はみんなそれに気付かない. そして、それをそのまま大人ということを理由に気付こうとすらしない. 複雑にしたがって、問題を大きくしたり、さらにややこしくさせたりする. それで最終的には苦しんで、結局はシンプルを求めるのが大人. ね、子供の感覚がどれだけすごいか. だから私は児童文学が好きなんだよ、シンプルだけど人生の核心をついてるから.

この作品、みんなの評価よりも全然いいものだと思うなあ.

そしてマックスの着ぐるみすごく好き
Shiori

Shiori