垂直落下式サミング

かいじゅうたちのいるところの垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

3.7
『かいじゅうたちのいるところ』は、オバマ大統領が子供たちの前で読みきかせをするイベントで朗読する一冊に選んだほどの世界的なベストセラーだ。
私にとっても思いで深い絵本で、子供のころ母に読んでもらっていたときムカデが畳の隙間から這い出てきて、それに気づいた母が咄嗟に手元にあったこの本でそれを叩き殺したため、節足動物が潰れて体液が滲み出る不快な音とともにこの絵柄を鮮明に覚えている。
物語は、子供部屋のクローゼットが夜になるとかいじゅうの世界と繋がるというお話しで、本作でも家出をした少年がかいじゅうの島に流れ着いてしまう。実写化にあたってつかみどころのない原作に一応ドラマ性が付与されており、『バケモノの子』とか『オール怪獣総進撃』みたいに怪獣と子供のふれあいによって、その子の成長を描いている。
とても好きな映画だ。実写化としてかいじゅうをCGではなく、生物感を残したぬいぐるみで表現していることを評価したい。というのは建て前で、ショタがだぼっとした服を着て冒険する様子が非常にかわいらしかった。ビジュアル的には上下つなぎの狼の服が萌えポイントで、未発達な身体のラインが絶妙に見えないのがいいですね(アブナイ文章)。
冗談はさておき、子供がふらつきながら歩いていたり、危ない遊びをしているのをみると、どうしてもハラハラしてしまう。従兄弟の子がペットの大型犬に押し倒されたときは「噛み殺された!」と早とちりして心臓止まりそうになったくらいなので、かいじゅうと遊ぶのなんてもってのほかだ。戦争ごっこなんて許さないんだから!
少女趣味、ファンシーセンス、ショタ萌え、マザコン、ケモナー、トトロコンプレックスなど、私の危険な趣向を網羅した見事な出来映えだ。