deniz

かいじゅうたちのいるところのdenizのレビュー・感想・評価

3.6
「食べちゃいたいくらい好き。」

モーリス・センダックの絵本「かいじゅうたちのいるところ」(原題「WHERE THE WILD THINGS ARE」)の映画化。
子供の頃から大好きな絵本で、2010年の日本公開当時、吉祥寺のバウスシアターまで観に行ったのが、記念すべきひとり映画館だった懐かしい思い出。

シングルマザーの元で育ち、仕事と新しい恋人に気を取られがちな母に対して寂しさを募らせている8歳のマックス。
ある夜、オオカミの着ぐるみを着たマックスは外に飛び出し、目の前にあったボートに乗り込んだ。
そして辿り着いたのは、「かいじゅう」たちのいる島だった。

レジェンダリー・ピクチャーズ製作の「かいじゅう」と言えば、ギャオォォォン!!と叫ぶ黒くて硬いアイツが思い浮かんでしまうが、このお話の「かいじゅう」はふわふわモコモコ。
(原題の「WILD THINGS」を「かいじゅう」と訳したのがとても好き。)
あえてCGを多用せず、着ぐるみ的質感のかいじゅうたち。
とは言え、異形は異形。
そんな異形のものたちと仲良くなって、あまつさえ王様として迎えられる。
そんな心躍る内容に、子供心は夢中になった。
優しい世界観、穏やかな物語運びゆえだとは思うが、原作わずか40ページの絵本で、この尺は正直長い…!
もうちょい短くても十分原作の素晴らしいエッセンスは伝えられたんじゃないかと思う。。
とは言え、あの頃はマーク・ラファロの名前すら知らなかったし、吹替が加藤清志郎くんや高橋克実さん(とても素敵!)なことも知らなかった。
改めて絵本を引っ張り出して思い出に耽る。
そんな幸せな101分だった。
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