【Can u hear me? Can u see me?】
ドラッグ中毒者、4人それぞれの末路を描いた奇作。
奈落の底へと突き落とされる現実。今の自分が幸せなら、あの時の〝失敗〟や〝後悔〟というものは全てプラスに。しかし人生とは選択の連続であって、彼らはその選択を大きく外した。その結果があの末路。なんて恐ろしい事だろうか。
映画において〝共感〟という意味で感情が大きく動かされる事が多いが〝未体験〟にも関わらず、このように我々を恐怖にさせたのが本作の凄いところ。狂った映像、鳴り響く不協和音等の演出も含め、やはりドラッグというそのものの恐怖を4人に分けてストーリーを進めたというのも脱帽。今までのスピーディーなカット割も、ラストはここまで加速するのかというスピード感をもって、一線を越すあの演出は最高。
圧倒的な力とテクニックで成り立つこのドラッグ映画をドラッグ撲滅推奨映画に認定しても良いのでは?
『π』のカットのやり方と似てるなと思っていたら同じ監督さんでしたか。なるほど納得いくが、『ブラック・スワン』とか『ノア』ではあまり色が出てない?『マザー!』を急に観たくなってきた。
エレン・バースティンの圧倒的演技力。
これを演じ、メンタルやられて死んでもおかしくはない。