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レクイエム・フォー・ドリームのmomokaのレビュー・感想・評価

4.1
フォロワーの皆さんのレビューを拝読していて、気になっていたので鑑賞してみた。

ドラッグの怖さを描いた衝撃的な作品。日本よりも海外の方がドラッグは身近な存在である印象はあるが、日本でも芸能人がドラッグで逮捕されたり、覚せい剤所持などのニュースも後を経たないので決して他人事ではないと感じた。

本作はある4人が中心となっている。高校を卒業したものの、定職に就かず、ドラッグ漬けの生活を送る、ハリー。彼と共にドラッグで一儲けしようと考えている親友、タイロン。そして、ハリーの影響もあり、徐々にドラッグに溺れていくハリーの彼女、マリオン。そして、テレビ出演の依頼が来て、ダイエットピル(覚せい剤)に手を出してしまった、一人孤独に暮らすハリーの母親、サラ。

ドラッグを摂取した際に、ドラッグが体の中に入り込んでいき、瞳孔が開く印象的なシーンだったり、スロー・クイックモーションを多用した演出がさらにドラッグの衝撃的さや恐ろしさを助長していたように思う。
徐々にハリーは血管にドラッグを直接注射するようになったり、サラはドラッグの量が増えていき、幻覚や幻聴にうなされるようになる。また、マリオンは、ハリーやタイロンからドラッグが手に入らなくなり、禁断症状で気が狂いそうになって、身体と引き換えにドラッグを手に入れるようになる。自らの心と身体を傷つけながらも、ドラッグを大事そうに抱えて、寝転んでいた姿は目に焼き付いた。

救いのない物語だが、これこそが現実なのだろうなと思うと、ドラッグの恐ろしさを肌で感じた。少し刺激が強いかもしれないが、中学や高校、大学などで啓発活動的な意味でも流したほうが良いような気もする。ドラッグに手を出したということは、人生を失うということ。どんな理由であれ、手を出してしまったら、最後。本作を観て、改めて考えさせられた。
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