みんと

レクイエム・フォー・ドリームのみんとのレビュー・感想・評価

3.8
ドラッグを扱った映画は概ねスタイリッシュなイメージ。そして個人的には手強いジャンル。なので、なかなか手が伸びないのだけれど有名なので鑑賞。

いや~その中でも最高峰なだけに容赦ない!容赦なさすぎて心が打ちのめされる。なるほど“落ち込む映画“と言われるわけだ。

中毒状態を疑似体験し、決してそうならないと強く決意させる意味での薬物撲滅映画と思えば意義深さも感じる。

気持ちをざわつかせる音楽センスも映像センスも人間の弱さにあまりにピッタリ。
ドラッグ描写は、細胞に広がっていくボコボコ、ジュワ~な感覚がリアル(なんだろうし)恐怖でもある。

そう言えば、先に観たトッド・ソロンズ作品でもエレン・パースティンが或る意味大変な事になってたけど、いやいやその比では無かった。素晴らしく体を張った演技に脱帽!と同時に薬物が決して若者だけに限らず身近なものに感じられて更に恐怖が増す。


悪夢的な世界を覗き見するつもりが、すっかりその世界に引き摺り込まれ、人間性を根こそぎ持ってかれる様をこれでもかと見せつけられる作品だった。
みんと

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