びーる

レクイエム・フォー・ドリームのびーるのレビュー・感想・評価

4.4
斬新SF映画「π」で世界を驚かせたダーレン・アロノフスキー監督が孤独と背中合わせに生きるごく普通の男女が破滅へと落ちていくさまを描いた衝撃のドラマ。

〜コニー・アイランドの寂れた海岸。古いアパートに住む孤独な未亡人サラ(エレン・バースティン)は、ある日、大好きなTVのクイズ番組から出演依頼の電話を受け、ダイエットを決意する。一方その一人息子ハリー(ジャレット・レトー)と恋人マリオン(ジェニファー・コネリー)のもとに、友人のタイロン(マーロン・ウァイアンズ)が麻薬密売の話を持ちかける。一時はそれぞれに人生がうまく回り始めるが…〜

鑑賞後の憂鬱感、悲壮感…言葉にできないですね…胸糞悪いです…でもそれが大好きなんです。ところでデカダンスとは道徳に反して、衰退する様をいいます。芸術の一派とされていますが、僕はそれが好きです。破壊してまた直す。訪れることのない完成を夢見る姿が、なんとも虚しく、それでもかすかに希望が見出されるからです。

この作品は絶望でしかありません。こんな憂鬱な気分は初めて味わうものでした。

全員孤独な登場人物、絶望感に満ちた音楽…ポップに描いた薬物の描写は本当に恐ろしかったです。

あんな描写されたら薬物は絶対にダメ!と伝えなくても、誰も手を出したくなくなるのではないでしょうか。R15作品ですが、多くの人に見てもらいたいです。こんなにもメッセージ性が強い映画があるとは…!

学校の授業で薬物に関する映像を見ると思います。ウトウトして見てない人が多いでしょうが、仮にこの映画を学校で上映したらどうでしょう。恐怖のあまりみんな目を伏せてしまい逆効果ですかね…笑
びーる

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