かわだ

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカのかわだのレビュー・感想・評価

4.0
故郷を追われた老マフィアが町に帰り過去を回想していくストーリー。少年時代から老人までの人生が哀愁たっぷり描かれる。
マフィアものによくあるストーリーといえばそうなんだけど、全てのカットが美しくて無駄なシーンが無いから3時間があっという間だった。
阿片窟での緊迫感ある冒頭からイエスタデイで一気に60年代に進むところ、再会したモーの酒場のトイレで回想に移るまでの流れは完璧。
ただ、終盤はパシーとコックアイが死ぬ経緯を描いてなかったり、唐突にマックスの裏切りが描かれてるあたりが端折りすぎな気もした。
それからセットの作り込みがすごい。収監前の時代のニューヨークの景色とか、合成もあるんだろうけど莫大な製作費をかけてるだけのことはある。

過去に取り憑かれて子供のままな主人公と未来しか見えないデボラ、マックスの対比がとことん描かれていたのが印象的。
自分のことばかりで、夢を叶えても孤独で幸せになれなかったデボラとマックスより、仲間との幸せを一番に思っていた主人公の方が、負け犬ながらも美しい思い出に浸って余生を過ごせた分救いがあると感じた。
かわだ

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