トカゲロウ

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカのトカゲロウのレビュー・感想・評価

4.8
観賞後のこの余韻、間違いなく名作。
たぶん、一週間はこのテンションを引きずっちゃいますね(笑)

1900年代初頭のアメリカ。
ユダヤ系移民として生まれた主人公やその友人たち。彼ら悪ガキは風変わりな少年マックスとの出会いを機にギャングの道へと進むこととなる。

4時間弱の長尺ですが、「少年期」「青年期」「老年期」と分かれており、それぞれの魅力があります。
また、時間軸も切り貼りしているので観る人を飽きさせないでしょう。
個人的には少年期がグッときましたね~!少年少女の夢見がちながらも真実を見抜く瞳。
時折、ハッとさせられます。
パッケージはその少年期の終わりのシーンに位置しており、観終わった後見返すと切ないです。

ロバート・デ・ニーロが青年から老人まで演じているのですが、どれも違和感がありません。彼でなくては、ここまで作り込められなかったでしょう。
最大限の拍手を送りたいですね。
他にも音楽、カメラワーク、効果音、編集、舞台から小道具、台詞にいたるまで全て凝りに凝っています。

そして、なんといってもラストなわけですよ。
「マジかよ、、、」とエンドロールが流れる画面に呟いてしまいました。
一つの展開は予想出来ていたんですが、これは予想外でした、、、
しかしながら、この解釈が分かれるラストのみをもって評価してはいけませんね。
ちっぽけな存在だけども世界の中心にいた「少年期」、暇を持て余しながらも足掻く「青年期」、全てを悟り過ぎた時の記憶だけを見る「老年期」
人が生きる上での本質を突いたこれらの過程があるからこそ、多くの人の心に残るあるいは傷をつける名作だと言えます。

私のレビューを見ての通り、頭を空っぽにしたいから観る映画ではありません。
人生という深海を一泳ぎしたいゼ!!という人にオススメです。
トカゲロウ

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