katoharu

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカのkatoharuのレビュー・感想・評価

4.0
漂う名作感と深い余韻にやられる。。
男(というかギャング)のロマンチシズムの全てが詰まっているとはこういうこと?
裏切りや失敗もあるが、阿片を吸いながら思い浮かべるのは我が人生。
人生は夢のようなもの。
最後のシーンが意味深で話題のようだが、私は、人生悪くないなと笑っていると思いたい。
伏線が多くて最後まで見逃せられないシーンで重ねられている。でもちゃんと観ても解釈の仕方が人によって違いそうな、謎の多い映画だ。

映画美として美しいのがこの映画の良さ。
「覗く」描写のシーンが多く、効果的に、意味深に使われている。そして最後はスクリーン越しに私達が覗いているかのように。覗いているうちは憧れや夢だが、乗り越えてしまうと現実となり危うさも秘めている、ということなのだろうか。
阿片窟の美術も素晴らしい。よくよく考えると、ロバート・デ・ニーロはまるで今の彼かのような老人期のメイクが似合い過ぎていて、全く違和感がない。
全体的に女性の扱いが雑めな登場人物男性陣だが、幼少のデボラのバレエシーンが、料理屋の倉庫だからか小麦粉の粉っぽいもやのような空気の中のジェニファー・コネリーが余計に美しく神秘的で、際だっていた。幼少期の俳優達の演技も大人に負けず輝いている。我慢出来ずに食べてしまうケーキのシーンの描写も微笑ましい。
テーマごとにメロディの雰囲気の違う音楽も素晴らしい。
余談だが、The BeatlesのYesterdayが何度か流れるのが、図らずしも今日の私の伏線になるとは(映画館で観たダニーボイルのYesterday)。
宝塚のミュージカル化が気になる…これは難し過ぎないか?
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