LX

奇跡のLXのレビュー・感想・評価

奇跡(2011年製作の映画)
5.0
『ポネット』『ミツバチのささやき』『禁じられた遊び』等ヨーロッパの映画には子どもの世界の美しさを描いた名作が沢山ある。
本作もまたこれらと並び評されるに値する作品といえよう。

ただ本作がより魅力的に映るのは、周りの大人の温かさではないだろうか。
ヨーロッパ(特にフランス)では良くも悪くも子どもを大人として扱うので、容赦なく現実を突きつけるような描写が多い。
本作も別に現実から目を背けている訳ではないのだが、子ども心を忘れていない先生や、ただ見守ってくれる主人公の家族(逆にそこまで子どもに構ってくれない親もいたかも)、むしろ協力してくれる老夫婦達の存在を自然に描いてくれている。
これが決して現実感のない都合の良い話にみえないのは、役者の演技と脚本・監督の力量は勿論のこと、日本人の子どもを可愛がる良いところをちゃんと見抜いていたからではないか。

ある意味大人達が子どもを甘やかした故に7人の子ども達は、目的へ突き進むが、それ故に大切なことを見つけ、成長していく。
主人公達の最後の選択に注目だ。

子どもの世界を認めてこそ、子どもは大人になれる。

類稀なるその才能で子どもを撮り続けてきた是枝裕和監督の真っ直ぐなメッセージが伝わる最高傑作の一つだ!