ベビーパウダー山崎

湾岸道路のベビーパウダー山崎のレビュー・感想・評価

湾岸道路(1984年製作の映画)
3.5
草刈正雄が去っても映画は終わらず、ひとり残された樋口可南子がそれまで依存してきた男性(世界)との関係を断ち切るかのように大型バイクに乗りはじめる終盤、もちろんそれは草刈正雄を追いかけるという目的があることにはあるが、独り立ちした女性の凛とした強さもはっきりと描かれていてなんだかグッときてしまった。もしかしたら自由を得るために放浪したアメリカンニューシネマの男たちの物語を女性に置き換え描いてみせた革新的な映画なのかもしれない。砂浜を散歩中に穴を掘り続けてハーモニカを探す奇妙なおっさんとの謎の会話。ガソリンスタンド店員の高橋ひとみ。黒光りしてるDV野郎に清水健太郎。病的な浪費家の女性を描いたドラマとして『トニー滝谷』(傑作)との二本立て希望。