子ども特有の純粋さが眩しくも残酷でもあった。
エリックと出会ったこと、友情を深めたことはもしかすると、デクスターにとっては死を引き寄せたのと同然かもしれない。
けれど、HIV患者としてではなく1人の少年として日々を過ごせたこと、おもちゃの兵隊で遊んだこと、初めて食べたチョコバーの味、家出同然の川下り、そのどれもがデクスターの人生を輝かせたのだと思う。
宇宙と履き潰したコンバース。
死は本当に日常の隙にあるのだとデクスターの最期で痛感した。
お互いがお互いにとっての"The Cure"、シンプルな原題が光る。