みやび

マイ・フレンド・フォーエバーのみやびのレビュー・感想・評価

4.4
エイズという病気が現れ始めたのは1980年代初頭。
突然現れたこの不治の病は治療法も無く人間の無知さが社会に大きな影響を与え、特に感染経路には様々な偏見を持たれ、感染者は差別を受けていた。
本作はこのような差別の時代を描いている。

幼いながらもエイズと戦うデクスターと辛い家庭環境にあるエリックの友情。
それは互いに依存し合う家族のような関係でもあった。
子供の持つ純粋さが不器用な優しさを作りだし、その純粋さが現実の残酷さを浮き彫りにする。

いつも通り、日常から離れてしまった2人の行き着いた先にあったものは永遠の別れ。
しかしこれから先、ずっと二人の旅は続くのだろう。
大切な人のそばに居たい。
その時間だけが人生を豊かにし、一生の宝物になるのだから。

ボロボロに泣けた。
対照的な存在を出し、社会が抱える偏見を炙り出すのは素晴らしい。
もちろん感動作なのだが、やはり残酷で皮肉に満ちた作品でもあった。
みやび

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