ガリ

マイ・フレンド・フォーエバーのガリのレビュー・感想・評価

4.2
【愛に溢れた映画】
不治の病にかかった友人との友情物語はよくあるストーリーではあるが、この作品は友情というよりエリックからデクスターへの愛情が要所要所で伝わってくる。まるで弟のような、身内への愛情の様なものが感じられる。エリックの行動は時折デクスターを危険に晒すが、それは幼さや不器用さ、無知さからである。そしてそれを一番デクスターの母親は理解し、暖かく見守る。
今作品の見応えの一つはデクスターの母親、リンダの慈悲深さと聡明さだ。初めのシーンからリンダのデクスターへの愛の深さと、賢さがびしびし伝わる。そこと対比されて、エリックの母ゲイルの知性の低さも伝わる。ワンシーンでこの差を伝えてくる演技力と撮影力には舌を巻く。
無知であるということは怖いことである。ゲイルがエイズを知らず人との関わりを逃しているように、エリックが毒草があることを知らずデクスターを危険に晒したように、無知は人を誤った方向に導く。しかし、エリックは母親と違い、そこに誰かへの敵意を含めなかった。ただ純粋に行動した結果であった。。
最後のエリックが靴を置いて行ったのを見たリンダの表情が良かった。あの靴を見たとき、リンダは安心した。母親の知らない息子の冒険があったことを知った。ああいう笑顔を見せられる母親になりたいと思った。(男だけど)
ガリ

ガリ