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ひとりぼっちの青春のENDOのレビュー・感想・評価

ひとりぼっちの青春(1969年製作の映画)
4.5
追い立てるように響き渡るサイレン。夢追い人の吹き溜まり。舞台は1932年禁酒法時代不況真っ只中の見世物小屋。ひたすら倦怠に満ちたneuroticな人間標本劇。ダンス・マラソンという常軌を逸した耐久レースは十分な睡眠時間も取れない環境で1000時間を超え、人間性を破壊して廃人にしてしまう地獄の競技だ。場末の人々は賞金と自らの宣伝のために生き残りを賭けてsudden deathに挑む。山師のロッキーは冷徹な眼差しで金儲けの行為自体に酷く失望し退屈している。ある者は精神に異常をきたし、ある者は命を落とす。フォンダ演じるグロリアの身体を張った作戦も諦めに変わりうんざり。頼りなげなロバートの瞳とその幇助。潮騒のたゆたいに儚くも藻屑と化す。徒労とともに終わらない試合…ヤバすぎる。妊婦も実はサクラなのか…そんな邪推など全くどうでもよくなる。
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