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巨人と玩具のENDOのレビュー・感想・評価

巨人と玩具(1958年製作の映画)
4.0
男の幼児性が遺憾なく発揮された広告屋の末路…余りに喧しくて辟易する。上司である高松英郎が覚醒剤(当時は合法)をキメて胃を病み吐血しながらも頭打ちは見えてるキャラメル販売を独占しようと部下へと『日本人であるなら働け』と呼びかける。完璧に個人を破壊された者のみが辿り着く境地。モーレツ社員の行く末が廃人となる日本…出色なのは敵会社の宣伝マンである小野道子!そのデートシーン…川口を手玉に取って海辺での接吻!エロスの化身!心と身体が乖離している猛烈な劣情を生きる糧にしてポジティブに生きて行くことの何が幸せか?高度経済成長期にして既に病む予感がひしひしと伝わる時代を刻んだ一本!(映画的に面白いかは別として)飽くなき欲望こそ人間の本質であり時には皮肉を交えて肯定し標榜する作品。善悪より個人的欲望の深化に迷わぬ人間たちに寄り添う視点こそが増村節!吐きそうだ…
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