映画を見始めるきっかけとなった一本です。
あの時代を感じるチープな近未来感は
当時の私には逆に新鮮で、見たことのない、知らない世界に驚きを覚えました。
自分の生きているよりか前の世代の、ジェネレーションギャップ的な目新しさの他に、パキッとした色使いや、なんだか違和感のある変な編集、、
クレヨンしんちゃんやポケモンの映画しか観ていなかった私は、みたこともない表現の数々に驚いたのを覚えています。
思い返せばこの映画が、
映像表現・音楽表現の奥深さと面白さを初めて認識した映画でした。
本が燃え盛るシーン、ラストの雪が降る湖のシーン、ずーっと昔に観たのに今でも鮮明に覚えています。
まさに、心が震えるという言葉がぴったりと合うシーンで、忘れっぽい私でもきっと一生忘れることはないでしょう。
当時はレイブラッドベリが原作だから、という事で鑑賞したけれど、
撮影はニコラス・ローグ、配給はATG、音楽はバーナードハーマン、そして監督はトリュフォーという、今思えば私ホイホイな作品でした。
トリュフォーにとっては正直残念な結果に終わった作品ですが、私にとっては映像表現の世界が大きく広った、大切な一本です。トリュフォー、映画の面白さを教えてくれてありがとう!