心から癒されたぁ。
DVDちゃんと観たのって何か月振りだろ。
余りにも元気が無くて思い詰めてたから、映画を観る余裕が無くて毎日を過ごしていたし、この作品も借りたはいいけど観れるのか疑問だった。
でも結局正しい時に正しい映画を観たんだなという気持ち。
ラースは自分が生まれた時に母親がお産のせいで亡くなったので、生まれつき大きな十字架を背負っていた。
残された父親は妻を失って笑わなくなったし、変わって行く父を恐れた兄は家から逃げていった。
幼いラースはどんな気持ちで生きて来たのかと思うと心が痛む。
もう誰の事も傷つけたく無いし、誰にも傷つけられたく無い。
そんなラースが恋人に選んだのがラブドールのビアンカ。
彼女は母親がそのせいで死んだような妊娠もしないし、父親のように自分を責めるような視線で見つめる事もない。
でもラースが心の底で本当に求めている温かい血が通った女性にはなり得なかった。
その事に気づいたラースはジレンマを感じ、今まで固く閉じ込めていた怒りや悲しみを徐々に外へと解き放てるようになって行く。
これはラースの再生の物語。そんなラースと彼を温かく見守る家族、町の人達の優しさが私の心も癒してくれた。
コメディーやアクションも好きだけど本当に心に残って自分を励ましてくれるのはこんな作品。
これからも週に一本でいいからこんな佳作に巡り逢いたい。
一番好きな場面はラースが同僚のマーゴのテディベアに人口呼吸をして生き返らせてあげるところ。真面目な顔で取り組むラースに大笑い。
私もちょっとだけ再生出来たかな。もっと映画をちゃんと観れる時間を作れるようになりたい。