ひろゆき

ラースと、その彼女のひろゆきのレビュー・感想・評価

ラースと、その彼女(2007年製作の映画)
4.1
銀幕短評(#409)

「ラースと、その彼女」
2007年、アメリカ。1時間46分。

総合評価 82点。

ドタバタコメディを観ようとしたら、とてもよくできたドラマでした。お金はほとんど かかってなさそうですが、有名ではないけれど うまい役者をすみずみまで配して、とてもていねいなカット割りでカメラを回しています。基本的にはスピーディーに細かく割るけれど、ここぞというところはじっくりじっくり割る。そのメリハリがとてもいい。

対人関係(自己認知)に支障のあるラース(ライアン・ゴズリング)が、ある日 等身大の人形を連れてきて 家族に自分の彼女だと紹介する。心底 本気で。現実にはまず起きない設定を下敷きに大きく広げておいて、人びとの信頼、思いやり、愛情をきわだたせる。この手法はすばらしいですね。

ラースは兄に問います。いつ自分がおとなになったと思ったのかと。ラース自身が おとなになろうとしているから。兄はとっさにうまく答えることができないのですが、そのいいよどみや仕草が 何ともいえないやさしさを かもしだします。そういう含蓄のあるシーンがとても多い映画です。

さあ わたしがおとなになったと思った日はいつだったろう? 思い起こすと、息子たちが産まれるのに それぞれ立ち会った日だと思いますね。これ以上は 大人になりようがない。ラースのお兄さんももうすぐ父親になるところだから、おなじ答えをすると思いますよ、きっと。
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