あまのかぐや

ウルヴァリン:X-MEN ZEROのあまのかぐやのネタバレレビュー・内容・結末

ウルヴァリン:X-MEN ZERO(2009年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

ウルヴァリンを観る映画です、物語ではなく。
ウルヴァリンの造形やら動きやら。
激しいのもかっこいいのもかわいいのも。
まあタイトルが「ウルヴァリン」ですからね。

でもこれは、わたしが見たかったX-menではなかったなー。
スピンオフって言ったらそんなもんでしょうかね。

1 → 2 → 3 → FC → ウルヴァリン の順で観てます。

これまでの3作はミュータント群像劇の中の1人の個性あるキャラクターとして描いていて、それだから魅力的だった。
プロフェッサーの「いいもんミュータントチーム」の中で、どこか浮いてて縛られず野性を発揮するワイルドな暴れん坊ウルヴァリン。

ビクターとジミー(ローガン)兄弟の相克がメインな流れかと思ったらその描写もそんなに深くない。
「すごい長い時代を二人で生きてきました」っていう冒頭の映像はちょっとわくわくしたけど。
そんな中でも、X-menシリーズのキャラ中では最も破天荒なローガンさえどんびくビクターの無軌道ぶりがわかったぐらいでしょうか。
もともと兄弟のように150年助け合って生きてきたというだけで血縁ではないようだし。・・・お互いそこまで追いかけたり探したり執着する理由がなんだかよくわからない。
それよりも正体を現す前のケイラとの「大草原の小さな家」みたいな生活や、逃げてきたローガンを助けてくれて(今はいないようだけど)息子を投影する老夫婦とのシーンなど、
ウルヴァリンにも過去にあった「ローガン」として人間にまじりあって暮らしてた姿に感動は、した。(まぁその記憶も消されちゃったんだけどね。)
こういうときのヒューはとてもいい顔で大好きです。

この作品にもミュータントパワーを持ってるキャラクターが多数出てきます。
原作コミックを知ってる人にはなじみなキャラクターかもしれないけどあいにくそこまで知識がないので、なんの感慨もなく。テイラー・キッチュやライアン・レイノルズなどを揃えたわりによくまぁここまで毒にも薬もならない描き方をしたもんだなぁ、とため息。
仲間といえば仲間、敵側といえば敵側。
所詮どこにも属さない流れ者たちなんで、あまり印象に残らない。がっかり。
あとで調べたらデッドプールやガンビットはコミックでは人気のミュータントだそうですね。

ただ、やっぱりわたしは旧3作やFCのように、ミュータントアクションものや特撮ヒーローものと一口に片付けられないような異端や異質の悲しさや生き様を描いたドラマとしてX-menを愛しているので。若いミュータントたちの受けた虐待や差別、偏見。育った背景から自分の能力を「受け入れる→使う」までの葛藤やらなんやら、見ていて苦しくなるよな成長過程がせつなくて。
そこがミュータントではない自分が、この荒唐無稽な物語や登場人物にすんなり感情移入できちゃう理由なのかなって思う。
けど、わたしのように個人的なミュータント愛とかそういう語りにはいちゃうと「いやいやいや、そーいうめんどくさい話ではなく」って言われそう。

脚本家や監督がどこに主眼を置いてるかによってX-menってまったく別モノになりますね。いろんな観方ができて、スピンオフ作りたくなる人もいろいろ出てきて、そんな可能性を追ってもっともっとめちゃくちゃに裾野広げていってほしい、いい意味で。

コミックからそのまま出てきたようなミュータントの造形や「ウルヴァリンVSミュータント」なヒーローアクションとして見るのが楽しみ!っていうファンは最高に楽しめると思いますよ。ウルヴァリンを観る映画ですので。

あ、それからこれ書いちゃうと面白くなくなってしまうネタバレシーンかもしれないけど
まだ若い頃のサイクロップスやFCに出てたエマ・フロストらしき少女がチラッと登場します。
そしてプロフェッサーが彼らを救出し迎えに来るというシーンがありますが、このときのプロフェッサーはまだ車椅子ではない。歩いてるんだよね。
「3」でジーンを迎えに行った回想シーンでも歩いてるけど。
・・・これに関してはいろいろ考え出すと夜眠れなくなりそうなので、細かいことはスルーしましょう。

「3」でチラ見せしてたウルヴァリンの過去やストライカーってなにもの?などもやもやが晴れたって意味では消化できたけど、ウェポンXどーすんのよとか、お約束のエンドロール後のシーンなどまだまだ宙ぶらりんな話は散らばってる。

かといって旧3作がみたくなるか、というとそういうわけではない。「3」だけ合わせてみれば、すっきりするかな、って感じでしょう。

特典映像で「もうひとつのエンディング」ってのがあったけど
これが「ウルヴァリン2~SAMURAI」に繋がるのかな?なんか…微妙すぎて2を見る勇気がありません