蝶を採集するのが趣味のフレディは、サッカーくじで大金を手にし、郊外に屋敷を購入。そして長年片思いしていたミランダを拉致し監禁してしまう。
孤独な男の倒錯的な愛。
監禁といっても一切ミランダに手出しもせず、毎日スーツ姿で銀食器に乗せた食事を運び、絵を描くミランダを見つめる。
彼女がいてくれるだけでしあわせだったフレディ。
なので始めはあまり怖さを感じなくて。
そのうち「美女と野獣」みたいに監禁から始まる愛になるのかとすら思った。
野獣の愛が純愛とされるなら、フレディだって変わらない。
うるさく騒ぐミランダよりフレディに感情移入してしまう。
しかし無理やり捕らえた蝶が思い通りならないのは当たり前。
その美しい姿を標本にしてうっとり眺める愛しか知らないフレディの計画が狂って行く。
紳士的な姿に浮かぶ歪んだ表情。
フレディの狂気を引き立てる影の使い方がとても秀逸。
屋敷に完全にふたりきりの密室劇ながら、じわじわとくる恐怖に途切れない緊張感で最後まで全く飽きさせない。
ちなみに結末がどうしても許せなかったのでそれだけは大幅減点。
あれじゃね、純愛認定できん。フレディ信じて応援してたのに。（しちゃだめ）
