ENDO

コレクターのENDOのレビュー・感想・評価

コレクター(1965年製作の映画)
4.0
美大生/銀行員、middle class/working classにおける階級闘争を含め、今のポリコレ的価値観で言うと完全にアウトでしょう。妬み嫉みに加え社会性を著しく欠いた性的不能者として無自覚に怪物化している話だから。労働者階級の怨恨が実態化した様に演出されるフレディ・クレッグの存在は不快。全く意思疎通できない感じが淡い期待を打ち消し、八方塞がり。ピカソの絵画、サリンジャーの『ライ麦畑〜』などの作品の持つ階級的不寛容さつまり外的要因にのみ不幸の理由を見出すなら、彼は永遠に満足はできないだろうし、やはり死を愛しているという彼女の言葉は初めから正しいのだろう。立場の反転も起こらないから死ぬまで平行線。シャベルで頭叩き割った後のカメラワーク最高だが、その後の恐怖に震えて死ぬ。徒労に終わる嫌な余韻…耽美主義に陥らない煮え切れなさ…どちらにしろ辛い…
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