シネラー

仮面ライダー×仮面ライダー フォーゼ&オーズ MOVIE大戦 MEGA MAXのシネラーのレビュー・感想・評価

4.5
「風都探偵」のアニメ化を記念しての
「仮面ライダーW」関連作の再鑑賞も
本作で一旦の終了となるが、
多くのライダー共演映画の中でも
群を抜いて好きな作品だ。

物語の構成が前回までの
"MOVIE大戦"と違い、
"オーズ編"、"フォーゼ編"、
"MOVIE大戦MEGAMAX編"という
それぞれのエピソードの合間に
物語を繋ぐ活躍をする
仮面ライダージョーカーや
昭和の7人ライダーの場面が挿入される事で
全5部構成となっているのだが、
それによって一つの物語の印象が強く
なっていると思った。

先ずは、未来の仮面ライダーアクア
の登場にオーズの相棒アンクとの再会
を描く"オーズ編"。
TVシリーズ最終回後の時系列で
消滅した筈のアンクが現れるのだが、
その真相が希望を持たせつつも
TVシリーズ最終回を台無しにするような
内容となっていないのが、
物語を大事にしていると思う部分だった。
又、未来から来た新人ライダー
であるアクアがオーズと出会う事で、
勇気を持って闘う仮面ライダーへと
成長する展開も王道的で良かった。
強いて言えば、オーズの2号ライダーである
バースの活躍がないのは残念だった。

次の"フォーゼ編"は、
仮面ライダーフォーゼこと如月弦太郎の前に
美咲撫子という仮面ライダーなでしこが現れ、
その彼女に恋をするという淡い青春を
描く内容となっている。
フォーゼの高校生らしい友情と恋愛が
色濃くでている作風であり、
その顛末が熱くて儚いのは良かった。
誰とでも友達になろうとする弦太郎が、
今回は恋心を抱く事でいつもと違う
気持ちになっているのが、
一目惚れの淡い青春だと思った。
そんな華やかもありながら
胸を熱くさせる友情の場面として、
弦太郎が立ち上げた仮面ライダー部の
部員全員がカウントダウンしての変身は、
TVシリーズまで含めた
フォーゼの場面で一番好きな場面だ。
本作で登場するフォーゼの
新形態ロケットステイツも見所であり、
その変身経緯も上手いと思った。

そして、"MOVIE大戦MEGAMAX編"だが、
序盤のW、オーズ、フォーゼの
掛け合いは心踊る場面であり、
そこでの先輩ライダーとしてのWは
とても頼もしかった。
その4人のライダーがTV主題歌と共に
敵を蹴散らしてく場面は、
ライダー無双と言える爽快感だった。
ここでオーズとフォーゼに合流する
7人ライダーの現代的にリメイクされた
アクションも格好良く、
そのBGMまでも作品愛が感じられ、
7人それぞれの必殺技が描かれている
のも嬉しく思った。
そこでオーズも
新形態スーパータトバコンボとなるが、
アクアから簡単にメダルを渡されて
変身する為、もう少し深みある
変身経緯を行って欲しいと思った。
それでもフォーゼとオーズによる
最終決戦は、CGと特撮を上手く
組み合わせている戦闘で良かった。

今でこそ出演者も豪華に感じられる
面々が揃っている事も、
個人的に好きなところであり、
当時として現行ライダーだったフォーゼ
や前作であるオーズを立てながら、
そこに引けを取らないWや7人ライダー
の活躍を描いた、
ライダー映画の一つ決定版だと思う。
劇場公開時にも鑑賞したが、
今でも胸を熱くさせる
仮面ライダー映画の一つだ。
シネラー

シネラー