東京キネマ

スキャナー・ダークリーの東京キネマのレビュー・感想・評価

スキャナー・ダークリー(2006年製作の映画)
3.1
原作は『ブレード・ランナー』『トータル・リコール』のフィリプ・K・ディック。原作は未読だが、国家が盗聴・盗撮するパラノイア的な怖さは伝わってくるものの、これといったプロットの面白さはない。

デジタルペイントが売りならしいが、要はライブアクションをトレースしてデジタルでペイントするというCGアニメ。そんなものは東映動画は50年も前にやっていた。『ファイナル・ファンタジー』と同じで、最初はそのタッチの不思議さやリアルさに驚くが、目が慣れてくるとむしろ実写にしか見えなくなってくるので、苦労した割には普通の画ヅラになっちゃうし、実写とのちょっとした違いが逆に気になる。東映動画であれば人の手でトレースするので独特の味になるが、デジタルだとそれが無いので余計ストーリーに集中できない。

開巻、物質Dでトリップした男が頭を吹き飛ばされる幻覚シーンは面白かったが、その後そのような幻覚シーンは全く出てこない。

この映画の失敗は、リアルな表現に固執し過ぎたこと。もっとトリップ感覚中心にストーリーを作れば面白かったのに。