シュンゴ

スキャナー・ダークリーのシュンゴのレビュー・感想・評価

スキャナー・ダークリー(2006年製作の映画)
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かなり好きな部類だけど今まで見た映画の中で一番酔う
ロトスコープ+パースの不安定な画面に揺さぶられて見通すのに4日かかった

リンクレイター×ディックってなんか面白いなーと思って観たけど、自我の足場が不安定になっていく感じを逆逆説的に2周回った状態で仕上げてた気がする。


全編デジタル加工処理が為された画面によってそれぞれのキャラクターは耐えられないくらい存在が軽くなっていく。
そんな映像のウネリで三半規管がヤラれていくのに、ロバダウJrとウディハレルソンの芝居が実体として達者すぎて更に脳が困惑。


唯一「軽さ」と調和しながらガッツリ主役をやりこなせるキアヌはやっぱりSFアイコンとして稀有。すき。


「スキャナーにはちゃんと見てほしい
おぼろにしか見えなければ 俺にはもうなんの救いもなく- 死ぬしか無くなる
何も知らず、誤った小さな認識だけを抱えて」