シネフィルmonk

小間使の日記のシネフィルmonkのレビュー・感想・評価

小間使の日記(1963年製作の映画)
3.8
ジャン・ルノワール版と同じく、オクターヴ・ミルボーの小説を映画化。ブニュエルは長らくアメリカ、メキシコで映画を製作しており、フランス復帰の第1作。ルノワール版と展開はほぼ似ているが、こちらはヒロインにジャンヌ・モローを迎え、いつもの口をへの字に結んだ表情でファム・ファタール的な存在感でサスペンス的な要素も。

パリで仕事をしていたセレスティーヌは田舎のブルジョア一家の小間使となるが、前当主は脚フェチ、娘は細かくて養子の当主(ミシェル・ピコリ)
は無類の女好き、下男はロリコンでなにやら怪しげ。一旦この町を引き上げようとする矢先、館に関係する殺人事件が持ち上がる…。ブニュエルらしく一家に美人の小間使を迎えたことで起きる波紋とブルジョア階級への皮肉を込めた一作。双葉十三郎氏の「愛をめぐる洋画ぼくの500本」紹介作。
シネフィルmonk

シネフィルmonk