ま

学校のまのレビュー・感想・評価

学校(1993年製作の映画)
3.7
「男はつらいよ」の山田洋次監督のこちらも人気シリーズの記念すべき第1作目。
子供の頃とかTV放送でやってた気がしたけどジジクセ~~~みたいな感じで敬遠してた。そんなことを後悔するくらいめちゃくちゃ良い作品でした。歳取ったから良いと思えるようになったのかな。

舞台は定時制の夜間中学校。主人公の教師(西田敏行)がそこに通う生徒たちと様々な交流を深めていく話。
定時制というからには、皆生徒たちは訳ありの人々。不良少年少女、不登校、外国人、浮浪者などなど。学校に通えなかった、教育をまともに受けてこなかった者たちが切磋琢磨し、遅い青春を謳歌する。生徒の年齢は推定だけど20代~70代ぐらいと様々。
前半はそんな生徒一人一人と先生とのエピソードが紹介されていく。

後半は生徒の一人「イノさん」と呼ばれるおっちゃん(田中邦衛)の訃報が入り、先生と生徒がイノさんとの思い出を語り始めそれが回想シーンとなり登場してくる。

本作の良さは登場人物一人一人のキャラクターが濃く、誰もが印象的。
後半の主人公的立ち位置のイノさんがまた相当クセが強いキャラクター。
競馬が大好き、平仮名も書けず、酒飲むと暴れちゃうという結構アレなオジさんだけどピュアな面も持っていて、なぜか皆から愛される不思議な男。

そんなメンバーをまとめ、いつでも面白おかしく温かく見守る先生がまたとても魅力的。さすが西田敏行って感じのキャラクター作り。釣りバカ日誌のハマちゃんとはまた違うけどどっか憎めないところは共通点。

先生が生徒を思いやり、その優しさを受けた生徒がまた先生や周りを思いやるという理想の姿。しかもそれが自然で家族の様な関係。
喧嘩もするしふざけるし時には暴走するが、みんなで心配して話し合い助け合う。世の中の人間が皆こうだったらきっと世界は平和なんだろうな~とか思ったりした。

これぞ「人情映画」って感じの名作。
ま