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おかえりのsonozyのレビュー・感想・評価

おかえり(1996年製作の映画)
4.0
篠崎誠監督の劇場用映画デビュー作。

自宅でテープの書き起こしの仕事をしている百合子(上村美穂)と、夫・塾講師の孝(寺島進)の物語。

「行ってくる」「行ってらっしゃい」「ただいま」「おかえり」
ささやかな二人のおだやかな生活に見えるが、百合子は窓から外をじっと見つめていたり、早朝からちょっと出かけたり、仕事も遅れ催促の留守電が入ったり・・徐々におかしな言動が増えていく。

「出かけるのは、組織に狙われているから見回りのため」…などと話し出す百合子は被害妄想に囚われているようで、統合失調症の疑いを感じ始める夫。

心を病んでいく妻と、その原因にはたどり着けていなそうな夫は寄り添うことで修復しようとする…

百合子が持ち帰ったお守り(小さな箱)。
彼女が眺める自身の過去のアルバム。
「たまにはどうでもいいことも話したいの!」という百合子。

今度、時間が出来たら海を見に行こう。
孝の約束は果たせるのか。。

ローアングルの多用による独特の心理効果。
海(波)の音だけが聞こえるエンドロールも沁みます。

ベルリン国際映画祭: 最優秀新人監督賞
テサロニキ国際映画祭: 最優秀監督賞
モントリオール国際映画祭: 国際批評家連盟賞
ナント三大陸映画祭: 最優秀女優賞
ほか。
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